"宗教は、矛盾が好きか、矛盾に気づいていないか、どちらかです。過去のある時点で現象世界が創造されたと、また人間が不完全で堕落しているとするならば、その創造者は不完全で、下手な存在と言うのが道理ですが、「神は完全であり、万能である」と言うのです。できた作品に欠陥があっても、作者には責任はない、という態度です。面白いことに、欠陥の責任は作品が負わなくてはいけないのです。要するに、人間が罪の責任を負わなくてはならないのです。もしも人間が幸福に生きられることになったならば、それは断言的に「神の恵み」になります。さらに罪を犯して、不幸に陥ることになったならば、それは神の責任ではなく、「悪魔の誘惑」になる。神の作品をいじる力を持つ別な存在がいるとすれば、その存在は神に管理されない自由なものになるはずです。しかし、その存在も神の支配下にあると言うのです。なのに、悪魔に誘惑される責任は、神は負わないのです。悪魔を何とかしてくれないのです。このように、矛盾に矛盾を重ねて語るのは、宗教の特色です。矛盾を示すことは神に対する侮辱で、大罪なのです。"